【出生前診断】悩んだ末に初期胎児ドックを選びました

このページでは、初期胎児ドックを受けた体験談や感想、かかった費用などをまとめています。

私は妊娠当時31歳、夫が50歳で高齢ということもあったので、何かしらの出生前診断は必ず受けるつもりでいました。
出生前診断にもいくつか種類がありますが、調べた結果、「NIPT」か「胎児ドック」まで絞り込みました。なぜ選択肢の中から胎児ドックに決めたのかもお伝えしたいと思います。

目次

出生前診断の種類について

私が胎児ドックを受けると決めるまでに、出生前診断について個人的に調べたことをまとめています。
詳しい内容は専門家による情報をご確認ください。

出生前診断の流れとしては主に、非確定検査である「NIPT」「胎児ドック」「クアトロ検査」「コンバインド検査」のいずれかを受け、検査結果で染色体疾患の可能性が見られた場合は、確定検査の「絨毛検査」「羊水検査」を行うことになります。

NIPTとは?

「新型出生前診断」のことで、妊娠初期(10週~)に母体の血液を採取し、赤ちゃんの染色体に異常が無いか調べる検査です。精度が非常に高く、調べる染色体の数などによって費用が異なります。

NIPTは「認可施設」または「認可外施設」で受けることができます。認可外でも違法なわけではありません。認可施設で受けるのがベーシックではありますが、年齢制限があったり検査できる染色体数が限定されているので、条件が当てはまらなければ認可外施設を利用することになります。

私が検討していた施設は認可外の「ヒロクリニック」さんです。
こちらでは比較的染色体疾患が起こりやすい13・18・21トリソミーに限定した検査プランで料金は約10万円です。1~22すべての染色体+性染色体も調べる場合は25万円ほどです。

NIPTを受ける時期

結果によっては中絶手術を考えるという場合は特にNIPTは早くに受けておく方がよいかと思います。施設にもよりますが最短では妊娠9週以降から検査ができ、数日後には結果が分かります。

人工中絶手術は、妊娠12週未満の初期であれば麻酔で眠っているうちに行うことができるので、母体への負担や精神的な負担が少なくなります。
12週以降になると麻酔はできず、人工的に陣痛を引き起こして胎児を死産させる方法がとられます。

ただし、確定検査を受けた場合はその結果が分かるまでに2~3週間を要するようです。

胎児ドックとは?

NIPTが血液検査なのに対し、胎児ドックは主に超音波検査によってエコー映像を確認し、胎児に異常が無いかを調べます。目視で行うため染色体疾患の精度は下がりますが、脳や心臓の異常、奇形は確認しやすくなります。

胎児ドックについては実際に受けましたので詳しくは後述しています

他の出生前診断は?

NIPTと胎児ドック以外の出生前診断については、「クアトロ検査」、「コンバインド検査(OSCAR検査)」が主な選択肢となるかと思います。NIPTと同じく採血が伴います。コンバインド検査においては超音波検査も含まれます。

費用についてはいずれもNIPTと比べると安価ですが、胎児ドックとはあまり差異が無いと思います。
検査結果は、例えば「21トリソミー:1/2000」のように確率で算出されます
私がこれらの出生前診断を選ばなかった理由は、「確率を見ると余計に混乱しそう…💧」と思ったからです。考え方によっては、高いとも低いとも取れるのが確率です。

確定検査

ここまでの出生前診断はすべて、あくまで可能性を算出する「非確定検査」です。
検査結果が陽性と判断された場合、もしくは染色体疾患の可能性を確実に判断したい場合、次は「確定検査」といって、「絨毛検査(11週~14週)」または「羊水検査(15~16週)」を行う必要があります。

NIPTの場合ですと、この確定検査に別途費用が発生する施設と無料でできる施設がありますので、後者を選ばれるとよいかと思います。

染色体が正常でなければ赤ちゃんが育つことができない場合もあります。また、確定検査の結果によっては、堕胎が行われるケースもあります。下記はその集計データを引用したものです。

新型出生前診断検査の臨床研究を行っていた共同研究組織NIPTコンソーシアムがまとめた集計では、2013年4月からの1年間で検査を受けた7,740人中、142人(1.8%)が染色体異常の疑いがある陽性と判定されました。

そのうち113人が羊水検査などで染色体異常が確認されました。

その結果、113人中110人(97%)が人工妊娠中絶を選びました。

残る3人のうち2人は流産し、他1人はダウン症と判明したものの出産を決めたと発表されています。

出生前診断の結果から中絶を選ぶ人の割合 / ヒロクリニック

お世話になったクリニック

私の場合はNIPTも検討しつつ、まずは出生前診断について相談するつもりで、大阪市平野区にある「ゆたかマタニティ超音波クリニック」さんにお世話になりました。
結果的にはこちらで胎児ドックを受けることに決めました😊

大阪府下で胎児ドックに対応している施設はいくつかありましたが、Googleマップで口コミを見比べたところ、ゆたかマタニティクリニックさんが高評価でした。否定的なコメントも見かけませんでしたし、信頼がおけそうなクリニックだという印象でした。しかも料金の設定が他施設より良心的です。

カウンセリングの予約で初めて電話をした時も、お姉さんがやわらかーい話し方で優しく対応してくださったのを覚えています☺

エコー映像を見る時間は、お部屋の電気を暗くして、夫婦でリクライニングソファにもたれかかり、プロジェクターで天井に映していただきます。周りにはプラネタリウムのような光も散らばっていて、リラックスできる空間です🥰

院長の久川先生は穏やかな方です。毎日たくさんの方を診察されているであろう自信と貫禄を感じました。
エコー映像を見るときは丁寧に「心臓はちゃんと4つに分かれてますね」「指は5本ありますね」「こんなに小さいのに赤ちゃんってすごいですよね、奇跡ですね」とお話ししてくれました。

胎児ドックの全費用

私が通った回数は全部で4回です。メインは13週の時に行った胎児ドックです。

11週カウンセリング5,500円
13週初期胎児ドック27,500円
16週再診5,500円
28週4Dエコー外来11,000円
計 49,500円

4回通っても5万円以内に収まったので、他施設の胎児ドックやNIPTよりコストパフォーマンスは非常に高いと思いました。

なお、胎児ドックで異常が見つかった場合の確定検査として羊水検査等を受ける場合は約12万円~の料金が別途かかることになります。その場合は最初から、確定検査料金込みのNIPTを受ける方が費用は抑えられるということになります。

全4回の診療内容

11週 カウンセリング

この頃はまだNIPTか胎児ドック、どちらにするか決め兼ねていました。
クリニックのホームページを見ると、8週~11週の間に初期のカウンセリングを受けることができ、出生前診断についての相談も可能とのことでしたので、お話を聞いてみようと思い訪問しました!

診察室に入ってからはすぐにエコー映像を映してくれました。5分間ほどで、体長を測ったり、血液の流れや心臓の動きなども見せていただけました。

11週胎児エコー
11週 2Dエコー
胎児11週3dエコー
11週 3Dエコー

NIPTと胎児ドックを悩んでいる旨を伝えたところ、先生のコメントとしては「胎児ドックでほぼ分かるのでNIPTは強いておすすめはしない」というニュアンスの内容だったと記憶しています。特に営業感が漂うわけでもなく(既に大人気のクリニックです)、先生の経験と実績による自信なのだと感じました。

異常があれば赤ちゃんは何かしらのサインを出すようです。この日に少しでも胎児に気になる点があれば仰っていただけるはずですが、現時点では気になる点は見当たらずでした。

カウンセリングを受けてみて、「NIPTでより正確な検査をするのは手っ取り早いけど、胎児ドックでしか分からないこともあるし、どっちみち先に胎児ドックは受けよう!NIPTはその後で決めよう!」という結論に至りました。

13週 初期胎児ドック

今回は胎児ドックということで、前回より念入りにエコーで胎児の様子を見ていただきました。エコーの所要時間は約15分でした。

初期胎児ドックエコーNT
13週 2Dエコー NT・鼻骨の測定
13週胎児3Dエコー
13週 3Dエコー
エコーでチェックした項目例
  • 赤ちゃんの頭殿長
  • 頭の直径が平均的か
  • 手足の指の形
  • NT (3㎜以下)
  • 鼻骨 (1.5㎜以上)
  • 静脈管の逆流が無いか
  • 心拍、心臓の弁の逆流が無いか
  • 耳の高さ など

NTとは?
妊娠初期の赤ちゃんの首の後ろにはむくみが見られます。この厚さによって染色体疾患の可能性を示唆するもので、3㎜以上ある場合は注意深く観察していくようです。厚みがあっても正常というケースも多いです。

染色体疾患の可能性がサインとして出やすいのは、頭が大きいNTが厚い鼻骨が短すぎる心臓の逆流耳の位置が低い、などだそうです。

今回の胎児ドックにおいては、いずれの項目にも引っかかることは無く、元気に成長しているとの診断をいただきました。
実はこの2日後にはあらかじめNIPTの予約も取っており、エコーで少しでも気になる点があればすぐに染色体検査を行う予定でした。しかし結論としては、胎児ドックの結果が拍子抜けするほど安心できるものでしたので、キャンセルすることに決めました。

染色体疾患は、主に13、18、21トリソミーが取り上げられますが、無事に産まれて大人まで育ってゆける可能性が高いのは21トリソミー、いわゆるダウン症のみです。ダウン症の場合はいくつか特徴が見られるので、胎児ドックでも何かしらの情報は確認できるだろうと思いました。

そもそも染色体に異常がある場合、お腹の中で赤ちゃんが育っていけず流産になってしまうケースの方が多いです。
つまり、NIPTでダウン症以外の稀な染色体疾患が見つかったとしても成す術が無いので、それはもう自然淘汰の範疇…。あえて検査をする意味は無いと判断し、出生前診断は胎児ドックのみとしました。

ちなみに、この時13週でしたが、先生の診断によって早くも赤ちゃんの性別が判明しました。
性別が分かるのは一般的に16週以降と言われますが、性器が未発達の妊娠初期では「ベビーナブ」といって突起の向きで診断する方法があるようですよ☺

16週 再診

胎児ドックを受けたあとクリニックから、任意で行う再診の案内をいただきました。
「週数が早いと心臓がまだまだ小さく評価が難しいこともあるため、16週~18週の間に補足的診療の位置づけで再度チェックします」という内容です。私は是非にとお願いしました!

胎児ドックから3週間後です。再診料金は5,500円で、今回のエコー時間は10分ちょっとでした。
前回より少しふっくらした気がします。もうこの時期から指しゃぶりのような仕草が見られるんだなぁと驚きました。

16週胎児2Dエコー
16週 2Dエコー
16週胎児3Dエコー
16週 3Dエコー
再診でチェックした項目例
  • 小脳の確認
  • 口唇口蓋裂の有無
  • 心疾患の有無
  • 腎臓
  • 足指の観察 など

診療の結果から染色体疾患の確率を算出(5,500円)することもできるそうですが、確率は逆に混乱しそうなので私はお断りすることにしました。(コンバインド検査などを検討しなかったのも確率で算出されるからです)

28週 4Dエコー外来

初期胎児ドックは完了しましたが、その約3ヵ月後である28週の頃、再度クリニックに行きました。
というのも、普段通っている産院ではコロナ禍で付き添いができないため、夫が赤ちゃんに会える機会といえばこちらのクリニックでエコーを見せてもらう時だけなのです…😥

28週胎児3Dエコー
28週 3Dエコー

中期胎児ドック(22,000円)というメニューもありましたが、初期胎児ドックで十分に安心は得られたので、今回はあくまで夫にエコーを見てもらう目的のみでお世話になりました。エコー時間は10分強、料金は11,000円でした。

胎児ドックではないといえ、先生はある程度見える部分についてはもったいぶることなく教えてくださいました。
詳しい検査が必要であればお願いしますともお伝えしましたが、必要ないでしょうとのこと。

夫も久しぶりの対面に嬉しそうでした。

出生前診断の中から胎児ドックを選んだ理由 まとめ

私は胎児ドックを選択してよかったと思っています。
最後に、複数の出生前診断の中から胎児ドックに決めた理由をまとめました。

  1. 「染色体疾患:〇分の1」というような、確率を算出する検査は混乱するので避けたかった
  2. 胎児ドックでは赤ちゃんの外見の異常にも気付けるので、NIPTはさておき、胎児ドックは必ず受けようと思った
  3. 実際に胎児ドックを受けたところ、引っかかる項目が無かった(心配な点があればNIPTを受けるつもりだった)
  4. 確定検査を行わない前提なら、胎児ドックのコストパフォーマンスが高い
  5. NIPTでしか確認できない稀な染色体疾患はほとんど自然流産してしまうので、検査結果を知ってもできることが無い
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